静音的なハードディスクの評価


◆◇◆  個人的なレビュー  ◆◇◆

もう少し見直しが必要で変更する可能性があります。
<2003年9月の状況>


最近のHDDは殆どがFDB(流体軸受)となり、以前より静かになりました。静音PCにふさわしいHDDを知りたくていくつかのHDDを買いました。個人的なレビューを行いましたので結果を報告いたします。なおSmart Driveに入れて比べたのは、そのままでは音が大きすぎて判断が難しかったこと、Smart Driveが静音PCユーザーの前提だと思うからです。

<テスト環境>

■マザーボード:ABIT KD7-G
■CPU AthlonXP1700+ VCORE:1.18V
■ファン ケース&CPU   RDM9025S@5V排気、
      VGA&電源基盤 RDL8025S@5V排気、
      チップセット    RDL8025S@5V
■接続
  プライマリ(マスタ)IDE、セカンダリ(マスタ)IDE、シリアルATAに接続。
■設置条件
  ・Smart Drive(初期のモデル)にセットし、ケース外に設置しました。
  ・ケーブル部の音漏れ対策として吸音スポンジを貼り付けました。
  ・共振対策としてスポンジ等で振動が回りに伝わらないようにしました。
■音の判定
  ・できるだけ静かな時間に床にHDDを置き椅子に座った状態で視聴し、聞き分けられなければ
   耳を近づけて判定しました。単に音の大きさだけではなく音質についても加味しました。
■SilentSeek
  AAM(Automatic Acoustic Management)が可能なものは、
  HITACHI Feature Tool (v1.90)でSilentSeekに設定。
  このサイトからダウンロード可能(http://www.hgst.com/hdd/support/download.htm
  尚、RandomSeekについては原則上記のツールにてテストしました。
■固体差は考慮していません。
  ・個人のやることなので複数の固体をチェックするお金はありません、
  ・大きな固体差がある事がわかった場合は、ユーザーとしては不良品だと主張します。


今回テストしたHDD
旧世代の代表的な静音HDDとして、BaracudaATAW、それ以外は現在(2003.9)も購入可能なHDDを選択しました。またプラッターの枚数はできるだけ2枚のものにしましたが、DiamondMax16は以前から持っていた1枚の4R060L0となってしまいました。
記号 メーカー シリーズ 型番 容量
(G)
回転数
(rpm)
プラッタ
(枚)
インター
フェース
テスト(順位)

idle

seek

温度

振動

速さ
BARAW SEAGATE BaracudaATA W ST380021A 80 7200 2 PATA 3 5 6 7 7
7200.7 Baracuda7200.7Plus ST3160021AS 160 7200 2 SATA 7 7 5 6 4
16 MAXTOR DiamondMax16 4R060L0 60 5400 1 PATA 6 6 2 2 6
PLUS9 DiamondMaxPLUS9 6Y160M0 160 7200 2 SATA 4 4 7 3 3
7K250 HITACHI Deskstar7K250 HDS722516VLAT80 160 7200 2 PATA 4 3 4 4 1
P80 SAMSUNG SpinPointP80 SP1604N 160 7200 2 PATA 1 2 3 5 2
V80 SpinPointV80 SV1604N 160 5400 2 PATA 2 1 1 1 5

テストA : IDLE状態(軽作業中)で静かに聞こえる順
        純粋なIDLE状態ではなく軽作業中を想定しました。

P80 < V80 < BARAW <  7K250、  PLUS9 < 16 << 7200.7

 7200.7:周期的にジーと鳴きますが、それよりもエクスプローラからフォルダを開くだけでジジっと鳴きます。
       それ以外ではBARAWとほぼ同じです。
 16:音質としては聞きやすいのですが、少し離れても聞こえます。
 P80:目立つ音もなく環境に溶け込むような音質です。
 V80:音の量は一番少ないと思います。HDD近くではウイーンという高い回転音が目立ちますが、
     少し離れれば殆ど聞こえなくなります。
 7K250HDD近くでは少し高音が目立ちますが、少し離れれば殆ど聞こえなくなります。
 

テストB : SEEKが静かに聞こえる順
V80 < P80 < 7K250、 PLUS9 < BARAW < 16 <<<< 7200.7

 V80P80:ググググ、良く押さえ込まれた音です。
 7K250PLUS9:チチチチ、やや高い音ですがSmart Driveに入れているので殆ど気になりません。
 PLUS9ではSilentSeekに変更することによるSeek音の変化がもっとも大きかった。
 16:カラカラ系で少し響きます。
 7200.7:ギギギギ、はっきり聞こえます。これはPerformanceSeekだと思われます。
   7200.7シリーズのみがAAM(Automatic Acoustic Management)がNotsupportとなっていて、
   ユーザーが(カタログにある)SilentSeekを実現する方法がありません。

テストC : S.M.A.R.T.の温度が低い順
V80 < 16 < P80 < 7K250  < 7200.7 <BARAW  <<  PLUS9

 P80:SAMSUNG SpinPointは実際の発熱量に比べSMART温度は低いようです。
 7K250:実際の発熱量はB以下ですがSMARTは3〜4度高くなります。
 7200.7:以前のモデルよりも発熱量は下がりましたが、注意が必要です。
 BARAW:要注意です。
 PLUS9:すぐに50度を超え、危なく感じます。シリアルATAだからかだろうか?


テストD : 振動が少ない順
V80 < 16 < PLUS9 < 7K250 < P80 < 7200.7 < BARAW
 V80:殆ど振動を感じません。
 P80、7200.7、BARAW:振動対策をしないと特に副次的な音が発生します。


テストE : ベンチマークの早い順、
       SiSoftware Sandra MAX3! (File System Benchmark)
       をやってみた結果です。

 速い← 7K250 P80 PLUS9 7200.7 V80 16 BARAW(注)
 Drive Index  37937   34955   33018   32102   29466   24931  24931
 Buffer Read (MB/S) 89 107 78 75 107 113 70
 Sequential Read (MB/S) 56 53 48 48 45 37 36
 Random Read (MB/S) 9 7 7 7 6 5 6
 Buffer Write (MB/S) 85 101 64 59 100 93 72
 Sequential Write (MB/S) 53 49 48 45 40 36 37
 Random Write (MB/S) 12 8 14 9 8 8 7
 Average Access Time (ms)      6 8 8 7 8 10 8
 
 OS起動直後のCドライブをテストしました。
 各Cドライブはパーティションをコピーして作成しています。
 BARAW(注)は有利な条件で実施(Eドライブ(セカンダリ接続))
 7200.7以外はSilentSeekに変更してあります。(7200.7は変更できない)

<補足>
HDBENCHでは結果が安定しないものの、PLUS9がもっともいい成績でした。
  Read Write RandomRead RandomWrite
 PLUS9  52810 55986 20039 29248
 7K250 52405 54584 20868 22913

また、PCJAPAN(2003.10)では
  DiskSpeed32(全周読取りテスト)とPCMark2002の両方でSP1604N(P80)が一番の結果になっていました。 


■◆◆ スペック一覧 ◆■◆
メーカーのデータシート(マニュアルがある場合はマニュアルから)から静音的な項目を表に纏めました。

メーカー シリーズ名 モーター 回転数
(RPM)
プラッター
(GB)
容量
(GB)
POWER(W) 騒音 (bel)
IDLE *1 IDLE *1 SEEK *1
 1   2   3   1   2   3   1   2   3 
HITACHI 7K250 FDB 7200 80 40〜250 5.0 5.9 7.0 2.6 2.8 3.0 - - -
180GXP FDB 7200 60 60〜180 5.0 5.9 7.0 2.6 2.8 3.0 - - -
120GXP BB 7200 40 40〜120 - - 6.2 3.0 3.0 3.1 - - -
SEAGATE 7200.7 FDB 7200 80 40〜160 7.5 7.5 - <2.5 2.5 - 3.1 3.4 -
ATA X FDB 7200 60 40〜120 9.5 9.5 - <2.5 2.5 - 2.5 2.8 -
ATA W FDB 7200 40 20〜80 8.0 8.0 - <2.5 2.5 - 2.5 2.8 -
5400.1 FDB 5400 ? 40 4.5 - - 2.6 - - 2.7 - -
SAMSUNG P80 FDB 7200 80 40〜160 6.0 7.2 - 2.5 2.7 - 2.7 2.9 -
V80 FDB 5400 80 40〜160 5.2 5.3 - 2.4 2.6 - 2.5 2.7 -
MAXTOR MaxlineU BB 5400 60 250〜300 6.1 *2 2.5 3.6
MaxlinePlusU FDB 7200 80 250 8.8 *2 2.7 3.8
DiamondMax
Plus9
FDB 7200 60,80 60〜200 7.3 *2 2.5 3.5
 DiamondMax16  BB、
FDB
5400 60,80 60〜160 5.3 *2 2.4 3.6
*1:ディスク枚数
*2:Maxtorはワット(W)表示ではないので、(5vのmA * 5 + 12vのmA * 12) / 1000で計算しました。

MAXTORはシリーズごと同じスペックになっていますが、他のメーカーを見るとありえません。
またIDLEの値は他社に比べて低めになっていると思います。



■◆■ 講 評 ◆■◆

HITACHI
以前の120GXPはうるさいとHDDでしたが、今回の7K250では十分静音ドライブとして通用すると感じました。(180GXPから流体軸受モーターを採用していることを見逃していました。)現在のこのドライブに不満はありません。
SEAGATE
静音PCではBaracudaATAのW、Xという固定観念がありました。7200.7ではSilentSeekにできないし、周期的にジーという音がするということで、最低の結果になりました。HDDの設定はOEMごとに行っているとの話があり、従来のような静音ドライブもどこかにあるのかも知れません。
MAXTOR
ひどく大雑把なカタログで数値も非常に怪しいです。他のメーカーも個人への販売はしていませんが、必要な情報は提供してくれています。6Y160M0では温度が高くなりますがSATAだから発熱量が多いのか?、カタログが大雑把なためになにもわかりません。4RnnnL0の低発熱性や低振動性、6YnnnM0の速さと、ポイントは押えているようです。ここもモーターが流体軸受となって音質も改善され静かになっています。
SAMSUNG
以前のドライブは爆音だったという話もありますが、P80、V80では優れた性質を確認しました。残念なのはV80のやや高い回転音ですが、高音域の遮音、吸音は比較的容易なため低発熱性を生かせる使い方ができるかも知れません。
P80、V80ともに使いたいドライブです。

HDDの選択
HDDの設置は、大きく3通り考えられます。
@ノーマルに3.5インチベイにセットする
ASmartDriveに入れ5インチベイにセットする
BSmartDriveに入れ床置きし防振も行う
それぞれ、HDD選択の観点が変わってくると思います。@、Aでは共振しやすいものは避けたほうがいいですし、
A、Bでは極端に温度の高いものは無理でしょう。
Seek音については、音を感じたい志向の人もいます。(7200.7かPerformanceModeにすることをお勧めします)
十分な対策をしたPCや他の騒音が大きい場合はIDLE音は感じない事が多いのでSeek音を重視するといいと思います。


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(参考)以前の評価
2003.9.12公開
2003.9.20修正

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