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伊丹市立美術館へ「ビゴーの世界」展というのを見に行きました。明治のころ、日本で活躍した風刺画家です。社会の教科書にも載ってる、自由民権運動を風刺した絵を描いた人です。みたらみんな分かると思う。
愉快にデフォルメされた人物が描かれた風刺画があるかと思えば、情感たっぷりに描かれた庶民の生活…子守女や花魁、托鉢僧、門付け、行商人…。フランス人であるビゴーが16年にわたる在日生活で描き続けたそれには、当時の日本の風俗が正確に、そして生々しく記録されています。たとえば外国映画でよく日本人が変にデフォルメされてたりするけど、そういう不自然さが全くなく、漢字も正確に会得していて感心しかり。知らずに見たら、これを異国のひとが描いたとはとても思えない。
ただ、当時日本にないエッチング(銅版画)という手法で描かれていたり、外国人向けにこどもの遊びのイラストの合間にフランス語でキャプションが入っているのを見ると、妙に日本の文化・風俗がエキゾチックに見えてくるから不思議!
あとは、たぶん日本人の画家ならば描かないという題材を取り上げていたりして(例えばお墓とか、土葬の様子)、そこかしこに新鮮な視線が感じられて、自らの文化を再確認する感じ。自分たちを見る、異国の人の目を借りて自分たちを見る。これは結構、普段経験し得ない事で、楽しい経験でした。
それはともかく伊丹市立美術館は良い!いつ行ってもすいてる!
最近大手の美術館でビッグネームばかり取り上げているから、そっちに流れているのかも知れない。惜しいことです…。イヤ、すいてる方がいいに決まってるんだけど。
ココはいつも、おもしろい企画を打っているんですよ!さすがに「超有名!」な作品はきませんが、以前なんかピカソの版画が100点くらいきていたこともあった。掘り出し物が多いと思うのだがな〜。
もともとイギリスの風刺画を大量に寄贈されたことをきっかけにできた美術館なので(多分)、版画、風刺画関係が強い。そういう性格付けが出来てるって凄いよね。どこもかしこも、集客をねらった(そういう理由だけじゃないだろうけど)展覧会ばっかり打ってる中で、マイペースに誠実に、館が得意とする、それでいて毎回新鮮な催しをしてくれているよ。
そりゃさー、ビッグネームも見たいけど、ここぞとばかり宣伝費使ってヒマつぶしのおばちゃんばかし集めないで欲しいよ。「今しか見れない!」と思うとがんばって行っちゃうけど、昨日の伊丹市美でのゆったり具合を考えたら、混み込みの展覧会は拷問にしか思えなくなってくんね…。なんとか自分をだましだまし見たりするけど、とても絵を見る環境じゃないスよ、ありゃあ(ex:去年の雪舟展)。
あと、伊丹市美の近所は造り酒屋があったり工芸館があったり民俗資料館があったり、なかなか文化の薫り高い街ですよ。のんびり休日を過ごすにはもってこいだと思う。震災でつぶれた阪急伊丹の駅も復興しましたしね。昨日は1人で行ってきたけど、今度遊び仲間と来たいものです。
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