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OUT/桐野夏生

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99年冬、ドラマ化されたヤツです。あれがものすごく面白かったので、読んでみた!面白かったぞう〜。
ドラマ見てたときはストーリーがぶっとんでることに目を奪われて単純に面白がってましたが、やっぱ小説だと、丁寧に人物の心情に迫ってくれるので、初めて「OUT」というタイトルの意味を理解しつつ読めました。

ラマでは気丈な主婦、雅子が運命に翻弄されつつ果敢に立ち向かってくさまがたくましく、また女衒の佐竹が、ひたすら得体の知れない、単なる犯罪者のようにえがかれていたけども、小説の印象はまるで逆。雅子はだんだんと自らの踏み外しつつある足下を見つめ続け、自覚しながらドロップアウトしていく。その背景には鬱屈した家庭や過去があるからに他ならず、なんとなく理解できるとはいえ、誰もが知らない領域のため、「あっち」にいってしまった雅子がものすごく不自然で、不思議な存在に見えてしまう。また佐竹は、自らの本質を知りながら、それに再び触れることをおそれ、慎重に、ある意味堅実に自分をいましめる。そうして築いたモノを崩され、復讐しようとする心情は、きわめてまっとうで、健全とさえ感じられる。この小説で愛すべきキャラクターは間違いなく佐竹だとおもう。

ストは、ドラマとは違った修羅場が繰り広げられるのだけど、クライマックスではファンタジーとも言える雅子と佐竹のやりとりがあり、ここで完全に読者は「あっち」にいってしまったキャラクターにとりのこされてしまう。早くいうと、感情移入、理解できない。まあ、ファンタジーだから。それが悪いっていうんではなく、「あっち」にいってしまった人間と、「こっち」にいる人間の間には、どうにも埋まらない溝があり、そんでその溝は、案外すぐ隣にあるんでは、というこの物語の本質を語らせているシーンなのかな、と思ったのです。あーおもしろかった!
ちなみに、女刑事の飯島直子やら、哀れな死に方したおとーさんとかは、ろくに描写されてなかった。ドラマに比べると、随分シンプルな物語でした。

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