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界はおおきいけど、人間はその未熟さと好奇心とで、それを征服しつつある。世界はおおきいので、それらを私は、とても把握しきれない。世界はおおきいということを、私は(私でなくとも皆が)既に知っている、このこと自体が、世界のとてつもなさと人間の幼さを証明している。

界にはあらゆる人種と動植物と機械と、あらゆる本や音楽や食べ物が、そして人間があふれている。それらを全て知り得はしないのに、人間はそれでも知りたいと思うのか、世界はなんだか、忙しそうだ。
私はいつも思っていた。人には、一冊の本と、一つの歌と、一つの恋と、一つの食べ物があれば充分なのに、なんで皆、一生の間にそんなにたくさんのものを見ようとするのかな。けどもそう思う私が、そのたった一つのものを持っているわけではない。それで気がついた。人はそのたった一つを探し続けているのだな。そう考えれば、毎日あらゆるものを消費し、同じ過ちを繰り返し続けるのも合点がいく。

界のおおきさを知らなかった昔の人は、それらを探さずにすんだのだろうか。世界は身の回りだけで、そこにはきっと、全てがそろっていて、足りないものを数える必要はなかっただろうから。

は、世界の大きさを知らなかった頃が懐かしい。旅は誰にもエキサイティングで、心躍るものだろうけども、世界はおおきく懐が深いために、人はすでに疲弊しているのじゃないのか。きっと、何を求めているのか分からなくなっている旅人も、たくさんいるのじゃないだろうか。私は早く間違えずに、たった一つを見つけて旅を終えたい。

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