子供の心臓病は生まれつきの場合がほとんどと言われます。
 胎児の心臓は妊娠3週から8週にかけてできあがります。胎児の心臓ははじめ、1本の管として現れます。この管が曲がったり、ねじれたりして、塊になり、やがて、この中に仕切りができて、心房や心室、大血管や4つの弁などが完成します。
 
 この発達の過程の途中で障害を受けると、左右の心房や心室の壁が十分にできずに孔が残ったりするのです。障害の発生を予防するには妊娠2〜9週にかけて、風疹などヴィールス感染、薬物の副作用、放射線の影響や染色体異常の機会を避けることが必要だそうです。     でも、これだけが、原因というわけではありません。実際、心房中隔欠損の子供を産んだ私には、妊娠期間中に上記にあるような機会に接した記憶はありません。 
 
 次に遺伝の可能性ですが、通常、先天性心疾患の子供が産まれる確率は、約100人に一人と言われていますが、両親のいずれかが先天性心疾患を持っている時は3パーセントに上がると言われます。さらに、心房中隔欠損症では遺伝の可能性が、他の先天性心疾患に比べて高いと言われているようです。でも、それも、確かなこととは言えません。実際のところ、大半は原因不明と言われているのです。

 先天性心疾患の子供を持った時、母親は第一に『母体での管理』を思い浮かべると思います。そして「自分に責任があったのでは?」と悩むこともあるでしょう。でも、決して、それが原因ではないことが多いことを忘れないで下さい。起きてしまったことを悩むより、今後子供のためになにができるか、悩むほうが、ずっと、子供のためになるのですから・・・     先天性心疾患の種類は50種類程ですが、その中で多いのは10種類くらいです。     グラフと上から4種類について(心房中隔欠損症は除く)簡単な説明を加えておきましたので、興味のある方はのぞいてみて下さい。

@ 心室中隔欠損症

 先天性心疾患の中では一番多い病気です。
右心室と左心室の間の壁、すなわち、心室中隔に欠損がある病気です。こどもで、1センチ以上あると、肺高血圧が生じます。肺高血圧を合併すると、重症になります。     子どもの欠損で3ミリ程度の場合は、自然閉鎖する率が高くなります。閉鎖は1、2歳でよく起こりますが、大きくなってから、閉鎖する場合もあります。
 肺高血圧を合併する場合は、ほとんど、3歳までに手術となります。5歳以上になると、肺高血圧が進行して、チアノーゼがでて、手術しても肺高血圧が治らなくなります。
 大動脈弁閉鎖不全(肺動脈弁のすぐ下に孔があいていて、進行性)を合併する場合は早期に手術する必要があります。この病型は簡単には説明が難しいので、他に譲りたいと思います。

A 動脈管開存

 産まれる前の胎内の赤ちゃんは肺動脈と大動脈の間に動脈管という太い管があります。この管は、産まれた後は1日で収縮して閉鎖しますが、この収縮が不完全で、管があいているのがこの病気です。
 太い動脈管開存の場合は、重症で、すぐ手術になります。未熟児の場合は、薬で収縮して閉じるケースがあるようです。

B 肺動脈狭窄

 右心室と肺動脈の間にある弁が狭いのがこの病気です。軽い狭窄の場合は一生症状もなく、手術もいりませんが、中等症以上は成人になるにつれて、症状が出てきますので、手術が必要です。手術に適した年令は5歳から15歳といわれます。重症の場合は、チアノーゼが出ることもあり、赤ちゃんの時に心不全を起こすこともあるので、緊急に手術をします。


C ファロー四徴症

 チアノーゼがある代表的な疾患です。
 1。大きな心室中隔欠損
 2。肺動脈狭窄
 3。大動脈の心室中隔欠損の騎乗
 4。右心室肥大
からなるもので、四徴と呼ばれます。生まれつきチアノーゼがあるのは3人に一人だけです。この病気の子どもは少し走ると、息がきれてしゃがんで、休み、また、走り出します。
 また、3人に一人はチアノーゼ発作があります。
 心内修復手術は4、5歳以上でするのが普通です。(肺動脈閉鎖を伴う場合はまた、違ってきます)