番 外 東光山 花山院



1998年10月11日(日)

 花山院への道は清水寺の大講堂に書かれていた。それをたよりに地図で確認しながらの移動となった。一部分かりにくいところがあったが、前に「三重ナンバー」の車が走っていたので、「多分巡礼者だろう」と決め込んで後ろについて走ったら、果たして花山院に着くことが出来た。

 さて、この花山院も山寺だ。しかもとんでもない山の上にあった。一応、門前まで車で上がっていけるのだが、この道が半端ではない。とにかく道が急なのだ。普通、山を上がっていく道は、くねくねと蛇行したりヘアピンカーブを連続させながら徐々に高度を上げていく方式だ。しかし花山院の場合はどういう配慮はほとんどなく、かなり直線的に上っていくのだ。そのためこう配がものすごく、本当に上がっていけるのだろうかと心配になるほどだった。しかも道は狭く、対向車が来ると大変だ。幸い、対向車はほとんどなく、山の上まで上がっていくことが出来た。

 山門横に駐車場があった。大型車はもちろん入って来れない規模だ。ここまで上って来れないだろうから、問題ないのだろう。門前の第一駐車場と、ちょっと下の方にある第二駐車場があって、あわせると40台ほどとまれるようだ。僕は第一の方に空きがあったので、そちらにとめた。

 山門の前におじさんが座っていて、そこで駐車料金を払う仕組みになっているようだ。お金を払い中に入ることにした。

 仁王さんのにらむ山門をくぐり、少し階段を上るとすぐにお寺の中だった。今までの寺に比べるとかなりせまい。お堂も少ししかないようだった。とりあえず薬師堂などに参拝してみた。さて、ご朱印をもらわないといけないのだが、いわゆる本堂とか大講堂とか、そういう大きな建物がない。どこでもらうんだろうと思っていると、ふと張り紙が目に付いた。奥の方の社務所(?)のようなところで押してもらえるようだ。

 社務所に行くと、おじさんが2人並んで座っていた。さっそくご朱印をもらう。なかなかの達筆だ。筆さばきは三十三カ所の中でも上位にはいるのではないか? とても気に入ってしまった。

 お寺の建物自体はたくさんないので、すぐ全部見れてしまうのだが、一番の見物はなんと言っても寺からの風景だ。三田市内や有馬富士などが見えた。ちょうど夕方で日が傾きかけており、とても美しかった。この日ははっきり見えなかったが、晴れれば海が見えるというからすごい。写真を撮りたかったのだが、フィルムがなくなってしまった。この花山院には売店もないようなので、あきらめるしかなかった。

 夕日を眺めながら、1000年前の風景はどういう感じだったんだろうと、思いを巡らせてみる。ここに来た巡礼者たちは、やはり同じように有馬富士を見ていたのかと思うと、不思議な気持ちになった。歴史というか、そういう文化の連続性の中に生きているんだという気持ちになった。それから、ここで隠棲生活をしていたという花山法皇の境遇を考えると、何だか切ない気分にさせられてしまった。夕日のせいだろうか。


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花山院ご朱印