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わかまつ社会保険労務士事務所は労使ともに向上できる職場づくりを目指します。

TEL. 024-973-6420

福島県郡山市久留米3丁目

   NPO法人の労務管理

 

 最近注目度の高いNPO法人(特定非営利活動法人)ですが、福島県内では、700件以上が県の認証を受けています。
 近年の認証データをみると
 平成21年     54件
 平成22年     51件
 平成23年     63件
 平成24年7月現在 36件

となっており、震災後は特に増加傾向にあります。

NPO法人というと、「営利を目的としない団体」とのイメージから「ボランティア」で成り立っているという印象を受けますが、NPO法人にも当然に労働基準法等の労働関係法が適用されます。

平成24年1月、高知県のNPO法人が「最低賃金法」違反で書類送検された例もあります。

NPOは「ボランティア精神で成り立っているのだから、賃金は安くてもよい」と思っていたら大きな勘違いです。労務の知識をしっかりもって、認証を受けた法人として適切な労務管理をしなければなりません。






   NPO法人の人員構成

NPOの人員組織はとても複雑です。
その役割と定義に基づいて、どのような法が適用されるかを理解しましょう。

NPO法人では「社員」という定義がありますが、これは、一般法人の「従業員」=「社員」とは異なります。NPOでいう「社員」とは「社団の構成員」を指し、総会で議決権を有し、法人の運営に参加する人のことを言います。定款に則り、年会費等を納めます。

  【人員構成例】

 

 

  設立者
理事
社員 
    役員の中で役員報酬として受け取れる人は役員の3分の1人までです。
 設立時の設立者は2人以上

設立後は通常役員として業務を執行します。
また、社員としても活動します。
  
 
  理事
社員
有償スタッフ  
  




理事兼社員としては無報酬の場合もありますが、実際に業務を行うスタッフとして賃金をもらうことが可能です

賃金を受けた分の雇用保険と労災保険を適用させます。

社保は理事報酬+スタッフ賃金の合算で適用させます。


有償スタッフとして業務する部分は、当然に労基法・最賃法が適用になりますので雇用契約を締結します。
 
  理事
社員
 ③④とは違い、実際の業務は行いません。
  監事
社員
 監事は社員にはなれますが、スタッフにはなりません。
あくまで監査役だからです。
   社員
有償スタッフ
  




   社員としても活動しますが、賃金を得て実際の業務を行います。  スタッフ=従業員
ですから、労働の対価として賃金を受け取ります。
正式な雇用契約を結びます
ので、該当すれば、雇用保険・社会保険にも加入します。
 
 
 
    社員     社員活動のみに該当します。  社員総会の議事に参加しますが、実際の活動は行いませんので、雇用契約は存在しません。
   有償
ボランティア
   基本はボランティアですが、実費弁償代として謝礼を支払うようなパターンをいいますので、雇用契約はありません。 ボランティア保険に加入してもらうようにします。事故が起きても労災が適用になりません。 
   無償
ボランティア
   労働力だけでなく、それにかかる交通費や作業服費などの実費部分もボランティアが自費を持ち出しで行ってもらいます。当然に雇用契約はありません。


   各種保険関係の加入

各種保険に入る条件は一般の法人と同じです。「雇用契約」の労働時間、労働日数によって加入要件該当した場合に加入してもらいます。
 役員がスタッフを兼任する場合は、「兼務役員」になりますので、役員としての対価と労働力の対価を別々に契約し、労働の対価分には「労災保険」「雇用保険」に加入します。
「社会保険」は報酬(賃金)を得れば、それぞれ合算して加入することになります。また他の事業所から役員報酬または賃金を受け取っていて、*保険者が同一の場合は「2以上適用事業所勤務届」を提出し、保険料を合算後、各事業所ごと按分されて保険料を支払うことになります。
 ただし、雇用保険は2以上の事業所に勤務しても、保険に加入できるのは主たる賃金を得ている事業所だけになります。
 *保険者が同一・・・2つの事業所が両方とも「協会けんぽ」というような場合を言います。
           

保険の種類  週20時間未満  週20時間以上
 30時間未満
週30時間以上 
 雇用保険  × 適用  適用 
 労災保険 適用   適用 適用 
 社会保険 ×  一般的には×  ◆一般的な考え方
次の両方に該当した場合に加入
・1ヵ月のフルタイム労働者の労働日数の4分の3以上
・1日のフルタイムの労働者の労働時間の4分の3以上


フルタイム者が1ヵ月21日・1日8時間の場合
【例①】両方○で加入する
1ヵ月16日契約で1日8時間なら
 1ヵ月 22×3/4=15.75  ⇒ ○
 1日  8時間フルなので  ⇒ ○

【例②】1日は×なので加入できない
1ヵ月21日契約で1日5.5時間なら
 1ヵ月 21日フルなので  ⇒ ○
 1日  8時間×3/4 >  ⇒ ×

【例③】1ヵ月が×なので加入できない
1ヵ月15日契約で1日7時間なら
 1ヵ月 21日×3/4 >  ⇒ ×
 1日  8時間×3/4 < ⇒ ○
 


   労働基準法の適用


『 有償スタッフ=労働の対価として賃金を受け取って働く者=労働者 』
は当然に、労働基準法が適用されます。
 逆を返せば、労働基準法を適用させることができる者が有償スタッフであるべきです。
保険関係の適用と同様に、保険料の支払いが可能なのか、労働管理が可能なのかを事前に精査してから、身分関係を設定しましょう。

法第15条  労働条件の明示
 労働日数・労働時間・労働契約期間、賃金の内容など、必ず書面で明示しなければならない事項があります。賃金を受けるスタッフなのか、謝礼を受けて働く有償ボランティアなのか、後でトラブルを起こさないためにも、明確に明示しましょう。

有償ボランティアにはボランティア規程に従い、業務期間・業務内容・謝金の額・指揮命令者する者は誰なのか、ボランティア保険の加入などについて事前に説明し、確認書などにサインをもらっておくとよいでしょう。
無償ボランティアも同じです。
法第32条


  37条
労働時間

時間外、休日、深夜の割増賃金 
有償スタッフは一般の労働者と全く同じ適用を受けます。
災害時に活躍するNPOの場合、業務が繁忙になれば、当然に時間外労働に対して、時間外労働手当を支給しなければなりません。
ボランティア精神の元にNPOで働いていたとしても、労働としての対価には支払義務が出ます。
あらかじめ、どのような働き方があるのかを想定し、労働時間の設定・賃金設定をしておきましょう。
とくに賃金の設定は、『だいたい』で設定・・・が一番危険です。
 
法第36条  36協定
時間外、休日労働
 
 36協定(時間外、休日労働協定)
有償スタッフが時間外労働や休日労働を行う場合は、事前に労使協定を締結しなければなりません。
法第89条
  90条
  92条
 就業規則の作成・届出・変更の義務 有償スタッフが常時10人以上になれば、就業規則の作成・届出義務が発生します。
常時10人以上ですので、臨時のアルバイトはカウントされません。
殆どのNPOが常時10に未満と思われますが、多様な働き方があるからこそ、職場のルールが必要になってきます。
スタッフの人数に係らず、就業規則を作成されることをお奨めます。


  諸規程の作成 


就業規則とは別に、NPOならではの諸規程の作成をしておきましょう。
・ボランティア規程
・会費規程
・出張旅費規程(有償ボランティアの旅費や日当など)
などがあげられます。  


  ご質問・お問合せ 
 労務の件でお困りの場合は、お気軽にご連絡ください。初回メール相談は無料です。お急ぎの場合は、お電話でもお受け致します。もちろん、守秘義務厳守です。

NPOの労務管理は、単純ではありません。しかし、NPOだからこそコンプライアンスが重視されるということもあります。
「いろいろ調べたけれど、わからない」そんな時は、ぜひ、ご連絡ください。

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